2010 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレン・ナノチューブ系ナノワイヤデバイスの超効率的理論設計法とその応用
Project/Area Number |
09F09239
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 百合子 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LOBODA Oleksandr 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 外国人特別研究員
|
Keywords | ナノチューブ / カーボン60 / 非線形光学特性 / 分子軌道法 / 量子化学計算 / 局在化軌道 |
Research Abstract |
ナノチューブなどの強いπ電子非局在化系に応用するためには、Elongation法が、非局在化系に対しても高精度で演算可能になる必要がある。そこで、自動的に必要なπ軌道を自動認識して取り込むGeneralized Elongation法の構築を行なった。つまり、Elongation法の計算過程で、非局在化したπ軌道など幾つかの状態だけは、局在化をする代わりに、あるいは局在化した結果やはり広がったままでも、きちんと取り込む手法を導入し、高精度の全エネルギーが自動的に得られるように開発した。特に取り扱い困難なPure Crabonからなるナノチューブ系に適用し、取り扱い困難でありながら興味深い物性を示すフラーレンやナノチューブ系に焦点をあて、原理の開発と応用を並行して展開した。 応用としては、カーボンナノチューブなどバンドギャップが殆どない系に対して、どれくらいのサイズまで高精度で演算できるかを確認するとともに、カーボンナノチューブ内に水や金属を含む系、末端にカーボン60やポルフィリンがポリアセチレンなどのπ共役系で連結されている系、ポルフィリンが平面で連結されたFused Ladder systemなどの強いπ電子非局在化系に対して適用した。これらの結果は、現在1報投稿中で、さらに1報投稿準備中である。 一方、ダグラス-クロール法などの相対論の効果を導入することにより、重原子を含む系についてもElongation法によって計算できるように開発中であり、信頼性を検証する。特にポルフィリン高分子については、内部に種々の重金属を導入し、非線形光学現象と重原子の種類との関係など、ポルフィリン高分子の機能設計への応用を試みている段階である。
|
Research Products
(3 results)