2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09254
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊東 忍 Osaka University, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EL-AGAMEY Ali 大阪大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 活性酸素除去 / 酸化ストレス除去 / レーザーフラッシュフォトリシス / 光照射電子スピン共鳴 / アスタキサンチン / カロテン類ラジカルカチオン |
Research Abstract |
本研究は、活性酸素除去機能及び抗酸化力が、生体内の酸化ストレス除去に有効であることが見出されている「カロテン類」の光化学を進めることを目的としている。そのためにレーザーフラッシュフォトリシスを用いて詳しい検討を行い、「カロテン類」と種々の活性酸素種との反応機構ならびに反応性について、系統的に解明しようとするものである。また、必要に応じて、レーザーフラッシュフォトリシスだけでなく光照射電子スピン共鳴(ESR)法も用いて反応に関与するラジカル種についても詳しく明らかにする。中でも、最も抗酸化力が強いアスタキサンチンの反応性ならびに反応機構について、出来る限り詳細な検討を行うことを目的とする。この目的を達成するために、初年度は、「カロテン類ラジカルカチオンからの脱プロトン化反応の観察」を中心に行った。これまでにレーザーフラッシュフォトリシスの手法を用いて、水溶液中でアセチルパーオキシルラジカルを生成させることに成功している。本手法を用いて発生させたパーオキシルラジカルは、極性溶媒あるいはミセル中でカロテン類と反応し、カロテノイドラジカルカチオンが生じる。この生じたカロテノイドラジカルカチオンは、系のpHを変化させることにより、プロトンを放出してカロテンラジカルを生じることが期待される。 このラジカル生成反応の速度は、系のpHのみならず、溶媒を変えることにより大きく変化する。種々の条件下で、アスタキサンチンをパーオキシルラジカルと反応させ、レーザーフラッシュフォトリシスを用いてアスタキサンチンラジカルカチオンを発生させることに成功した。
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