2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09264
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊庭 斉志 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NOMAN Nasimul 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 遺伝的プログラミング / 遺伝的アルゴリズム / 進化計算 / ヒューマノイドロボット / 自動作曲 / 創発デザイン |
Research Abstract |
本年の研究では,構築した進化計算手法の有効性を,様々なベンチマーク問題に対して空間/時間計算量を従来の遺伝的プログラミングと比較し,探索能力を解析した.この結果に基づき可能な改良を行った.さらに,バイオインフォマティックスにおける遺伝子ネットワーク推定に絞って,システムの有効性を明らかにした. 具体的には,進化論的な計算手法(遺伝的アルゴリズム,遺伝的プログラミング)を応用して,動的な遺伝子・タンパク質ネットワークの推定を試みた.さらに合成生物学における遺伝子回路合成にこの手法を応用することを考案した.その結果,発振回路やbistableスイッチ回路の合成に本手法を応用し,いくつかの興味深い回路を合成することに成功した.得られた回路の頑強性や実現可能性について議論を行い,手法の有効性を確認した.探索の結果得られたネットワークに含まれる遺伝子は比較的少なく,構造としてもシンプルであった.モデル中に含まれる全てのパラメータをランダムに設定して発振確率を調べるモンテカルロ法を用いてネットワークの頑健性を既存の発振器と比較したところ,シンプルな構造にも拘わらずより高い確率で振動することが示された.このことから合成生物学におけるシステムレベルの開発に対し進化計算手法の有用性が期待される.得られたシステムはWWW上での公開を行い,実際にWetの研究者との共同研究などにより貴重な助言を得ることができた.
|