2010 Fiscal Year Annual Research Report
局所酸化濃縮による歪みGe-On-Insulator基板の形成
Project/Area Number |
09F09271
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 寛 九州大学, 産学連携センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG H 九州大学, 産学連携センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 半導体物性 / 電子・電気材料 / 結晶工学 / 先端機能デバイス / 絶縁膜 |
Research Abstract |
本研究では、SOI上にSiGe結晶薄膜をエピタキシャル成長させ、それを酸化することにより歪みSiGe-On-Insulator (SGOI)基板を作成する手法の確立を目的としている。H22年度は、SGOI層への歪み制御の研究を実施し、以下の成果を得ている。 (1)SGOI層への歪み導入のため、初期Si_<0.93>Ge_<0.07>膜厚の異なる基板(初期膜厚:80、160、250、400nm)をGe濃度50%まで濃縮(濃縮後膜厚:11、23、35、56nm)し、歪み率(ε_c)と正孔移動度(μh)との相関を調べた。その結果、SiGe膜厚が薄い程、高いε_cと高いμhを有する基板が形成できることを明らかにした。これは、高い圧縮歪みと高い結晶性に起因していることを明らかにした。 (2)初期Si_<0.93>Ge_<0.07>膜厚が80nmの基板に対して、酸化濃縮によりGe濃度の異なるSGOI基板を作成しε_cとμhのGe濃度依存性を調べた。その結果、ε_cはGe濃度が50%以上で急激に低下して歪みが緩和すること、それに伴って積層欠陥や微小な双晶等の欠陥が生成されることを明らかにした。 (3)初期Si_<0.93>Ge_<0.07>膜厚が80nmの基板に対して、酸化濃縮によりGe濃度を50~65%まで濃縮したSGOI基板のμhは570cm^2/V・sを示した。これは、Siと比べて約3倍の高移動度化が実現したことを意味する。高いμhを得るには、Ge濃度とε_cとのトレードオフがあることが判明した。
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