2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09282
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 研 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DU Guanxiang 東北大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 局在プラズモン / ナノ微細加工 / 実効誘電率 / 磁気光学効果 |
Research Abstract |
本研究では、10年後を見据えた新規メモリを実現に近づけるための一つの手法として、局在表面プラズモン励起強磁性体の物性(電子の振動モードのスピン変調に関する物理)を切り拓く。そのためには技術的には、連続膜としての薄膜だけではなく各種微細加工技術が必要となる。そこで、50nm径以下の磁性/非磁性積層構造からアスペクト比の高いドットの規則配列体を加工する技術を確立し、その光学・磁気光学特性を明らかとすることを目的とする。 マスク・ミリング法を用いる微細加工技術を追求し、40nmの高さをもつAuドット、Au/磁性膜/Auサンドイッチ試料を、直径40nm、間隔150nmの周期配列させることに成功した。またこの技術からさらに楕円体の配列試料や二連近接体を単位構造とした配列試料などを作製し透過率スペクトルならびに磁気光学スペクトルを測定した。隣接単位構造は十分に離れているため、各単位構造中のプラズモン振動同士の相互作用は十分に小さいと考えられる。いずれの試料の場合も局在プラズモン励起に伴う共鳴吸収とこの吸収端において磁気光学効果の増強が観測された。さらに単位ドット構造の面内異方性に起因した磁気光学スペクトルの増強現象も実験的に確認した。また、形成した配列体部分を仮想的な層と考えて有効媒体近似を適応し、単位構造内での位相シフトも考慮した実効誘電率(対角項)を解析するとともに、磁気光学効果(回転角、楕円率)をフィッティングすることにより誘電率の非対角項も導出した。これらの内容についてはPRB誌のRapid communicationsに採録されるなど、先駆的研究として評価されている。
|
Research Products
(4 results)