2009 Fiscal Year Annual Research Report
実態に即した気孔応答モデルを導入した全球気候-水循環シミュレーション
Project/Area Number |
09F09289
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大槻 恭一 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHO J. 九州大学, 大学院・農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 気孔コンダクタンス / 流出量 / 陸面モデル / NDVI / 大西洋の水面温度 |
Research Abstract |
本研究では、地球規模水循環シミュレーションに使われる気候-水循環モデルに含まれる気孔コンダクタンスサブモデルについて,以下の研究を行う。 (1)気孔コンダクタンスサブモデルの推定結果が観測結果と合致しない点を同定する。 (2)気孔コンダクタンスサブモデルを改良する。 (3)改良気孔コンダクタンスサブモデルを気候-水循環モデルに組み込んで,地球規模水循環シミュレーションを行い,シミュレーション結果が従来の気孔コンダクタンスサブモデルを使用した場合とどのように異なるかを明らかにする。平成21年度の成果は、以下の通りである。 (1)陸面モデルの気孔コンダクタンスを様々に変化させて、全球の気候-水循環モデルのシミュレーション結果がどのように変化するかを確認した。その結果、ほとんどの気候-水循環モデが気孔コンダクタンスサブモデルとして採用しているBall-Barry式が、水蒸気濃度に対する気孔の反応を再現できないことを発見した。 (2)上記の問題を克服するために、気孔開閉の植物生理理論に基づいて、Ball-Barry式を観測結果が再現できるように修正した。 (3)陸面モデルからの水収支計算において、改良気孔コンダクタンスサブモデルの感度をシミュレーション実験した。また、気候変動と植生変化の関係を調べるために、アマゾンを対象に、衛星データを利用して、大西洋の水面温度や森林のNDVIのデータを分析した。水面温度の変化に応じた降雨量や日射量の変動によるNDVIの変動を解析し、この関係の時間・空間的な差を示した。これらの結果は、Ecological Infbrmaticsに投稿中である。
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