2009 Fiscal Year Annual Research Report
水環境中におけるブラックカーボンの挙動と消長の解析
Project/Area Number |
09F09290
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
滝沢 智 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LOHWACHARIN Jenyuk 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ブラックカーボン / 水環境 / コロイド / 天然有機物 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)天然有機物(NOM)とコロイドがブラックカーボンの水環境中での挙動に及ぼす影響を評価すること、(2)地表水-地下水・土壌のダイナミックなサイクルの中で、ブラックカーボンの挙動と、それが水環境に及ぼす影響を把握することにある。 そのため、今年度は天然土壌中でのブラックカーボンの移動が、天然有機物および多糖類の影響を受けるかどうかを調べるため、実験装置の製作と、いくつかの予備実験を行った。 1.はじめに、内径30mmのガラス筒に石英砂を充填し、pHを5または7に調整し、NOM添加或いは無添加の条件で、ブラックカーボンの挙動を調べた。この結果は、2010年6月に国際フミン質と天然有機物に関する国隙会議(IHSS)に投稿した。 2.次に、内径20mm、長さ150mmのガラス製クロマトカラムを製作し、新しく購入した土壌サンプル用のpH計とともに、ブラックカーボンを含む試水の通水実験装置を設置した。 3.東京都内において天然土壌のコアサンプルを採取し、45℃で3日間乾燥した。その後、ふるいにより0.4-1.0mmの画分と0.4mmの画分に分離した。その後、それぞれの土壌を湿潤状態で5-8cmの層高まで充填し、約1LのCaCl2溶液とKCl溶液を順番に通水することでイオン平衡を保ち調製を行った。 4.その後、親水性のカーボンブラックであるAquablack-001(東海カーボン社製)をモデル物質として用いて通水実験を開始した。Aquablack-001は、親水性のブラックカーボンであり、水中に分散しやすいことから、様々な産業で用いられている。現在は、Aquablack-001を用いた実験結果を取得し、解析を行っている。
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