2011 Fiscal Year Annual Research Report
静電紡糸法によるナノファイバーの合成開発と電子デバイス材料への応用
Project/Area Number |
09F09301
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奥山 喜久夫 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MUNIR MuhammadMiftahul 広島大学, 大学院・工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノファイバー / 静電紡糸法 / 太陽電池材料 / 二次電池材料 / コンポジット材料 |
Research Abstract |
静電紡糸法によるナノファイバー合成プロセスの改良と電子デバイスへの応用について検討し、以下のような成果を得た。 1)静電防止法の各種条件がナノファイバーの形態へ及ぼす影響の調査 太陽電池用の透明電極基板および二次電池材料用のナノファイバーの開発を行うために、実験条件とファイバー形態へ及ぼす影響について実験的に調査した。モデルとしてポリアクリルニトリルを用いて静電紡糸法によってファイバーを合成した。具体的には溶液の濃度、温度を変化させることで、粘度、表面張力、電気伝導度を変化させファイバーを合成した結果、ストレート、スピンドル、ビーズ状、リボン状のファイバーが合成されることが分かり、太陽電池、センサー、電磁場フィルタなどへの応用が期待される結果が得られた。 2)燃料電池用ナノファイバーに作成と触媒特性評価 燃料電池におけるプロトン伝導膜材料ファイバーの開発を目指して、ポリアクリルニトリルの酸化スズを出発原料とする酸化スズナノファイバーの合成について検討した。その結果、酸化スズの中空ファイバーが合成に成功し、白金を担持させることで燃料電位の固体触媒としての性能が確認された。特にアノード側の電極触媒としての性能に優れた材料であることが明らかとなった。 3)レアアースフリー蛍光体BCNOファイバーの作製 静電紡糸法により希土類を用いない蛍光体BCNOファイバーの合成に成功した。原料であるホウ酸の濃度を調整することにより近紫外の励起による発光色を緑色と黄色に制御できることが明らかとなった。XRDとFTIRの分析結果より、BCNOファイバーは、多結晶のBCNとB203の結晶で構成されていることが明らかとなった。またSEMおよびTEM観察より、BCNOナノファイバーが非凝集であり、機械的に強度が優れていることが示された。これらの手法では、1次元のBCNOナノ構造体の作製が可能となり、光学材料への応用が期待される。 最後に、本静電紡糸プロセスによって合成したファイバーの電池材料として最適なファイバーの径、長さ、構造などを検討し、得られた研究成果の論文化および学会発表を実施した。
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Research Products
(3 results)