2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09305
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
和泉 充 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DENG Zigang 東京海洋大学, 海洋工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 高温超電導磁石 / バルク超電導体 / 潮流発電機 / 海洋エネルギー / 超電導回転機 |
Research Abstract |
本研究の目的は潮流を利用した次世代のエネルギープラントを実現するために、高温超電導を用いた小型高効率を有する発電機の設計および試作である。研究計画に習い、初年度は以下の項目を達成した成果として報告する。 【発電機形状の選定】MW級の発電機を実現するために現在までに開発された超電導回転機を調査し、我が国の内海及び本土近海への適応性を検討した。日本だけでなく、米、欧州など世界の国々を含めて包括的に考証することにより、超電導体の形状、軸に対する界磁方向、磁束の集中を引き起こす鉄心の有無などの基本構造を検討した。その結果、径方向に磁場を発生するラジアル形状の回転界磁構造を有する事とし、その界磁には日本が世界を先導する技術のひとつであるバルク超電導体(超電導の結晶の塊)を採用することとした。 【基本パラメータの決定】主となる設計パラメータの決定を行い構造の基本設計を確立した。高エネルギー密度をもつ潮流からの入力トルクを想定し12~20rpm程度の低回転で所定の出力を発生することとした。バルク超電導体を用いた界磁は、これまでの液体窒素中での試験結果を応用し、磁場解析ソフトMAGNETを用いて擬似的にバルク体を表現する手法を用いた。30Kまで冷却された時の発生磁束を推定し3T以上を発生するものとした。 【バルク体の性能向上】バルク体の性能は電機子に誘導される出力に直結する。新たな磁束ピン止め中心材料として軟磁性粒子(MP:Fe-Cu-Nb-Si-Cr-B)の添加し、超電導材料の特性を高め、その体内に捕捉することのできる磁束密度の向上を図った。バルク体を液体窒素温度で着磁した結果、0.4mol%添加した材料において30%程度の磁束密度の向上を確認することができた。具体的に最大磁束密度0.109T□0.153T、総磁束6.15uWb□8.09uWbの顕著な捕捉磁束密度の向上を達成した。今後バルク体の大型化を含めたさらなる性能向上を図る。
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Research Products
(3 results)