2010 Fiscal Year Annual Research Report
イネの品種間差を利用したヒ素の吸収と蓄積についての分子生理学的解析
Project/Area Number |
09F09322
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DUAN Guilan 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | イネ / ヒ素 / トランスポーター |
Research Abstract |
本研究はヒ素の蓄積や輸送に違いを示す各種イネ品種を用いて、農業上有用なヒ素低減遺伝子を同定することを目的として開始したものである。これまでにシロイヌナズナやイネを用いた分子遺伝学的研究によって、ヒ素の輸送や蓄積、耐性に関与する遺伝子が同定されてきている。ヒ素は基本的には毒物であるため、植物はヒ素特異的な吸収(取込み)のためのトランスポーターは持っていないと考えられている。例えば、シロイヌナズナのヒ酸を輸送するトランスポーターは本来は化学的に似たリン酸を本来の基質とするし、亜ヒ酸を輸送するトランスポーターは化学的に似たケイ酸を本来の基質としている。本年度はイネのヒ素輸送機構の解析とイネにおけるヒ素集積の低減を目的に二つの研究を進めた。一つはイネにおけるヒ酸輸送を担う分子の同定である。イネにおいてはヒ酸輸送を担う分子が明らかでなく、シロイヌナズナの研究を基にイネのリン酸トランスポーターの中からヒ酸輸送を担う可能性のあるリン酸トランスポーター遺伝子の変異株を入手しヒ酸吸収が低下していることを確認した。この変異株にリン酸トランスポーター遺伝子を導入する実験を進めた。現時点では形質転換植物は未だ得られていないが形質転換は進行している。もう一つはイネに酵母由来の排出型亜ヒ酸トランスポーターを発現させる実験である。形質転換系統を複数取得し、その種子でのヒ素蓄積を測定したところヒ素蓄積が低下している傾向が認められた。
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Research Products
(2 results)