2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09348
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡村 均 京都大学, 薬学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FUSTIN J.-M 京都大学, 薬学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 生体リズム / 時計遺伝子 / 質量分析 |
Research Abstract |
Tet-Off Flag-Per2 NIH3T3系を用いてPER2に結合する蛋白質を同定した。SDS上展開の後、MS解析を行って得られた物質Mのコンディショナルノックアウトマウスを用いて研究した。全身発現CREを用いると、妊娠中期までに脱落し、胎生致死であった。ニューロン特異的CREを用いた脳特異的コンディショナルノックアウトを作成することに成功し、行動を検定中である。さらに、この物質が核酸代謝に関与することに注目し、核酸と日内リズムに関してメタボローム検索を進め、肝臓の時計は、肝細胞からヌクレオチドを全身臓器にリズミックに供給していることを発見した。ヌクレオチドであるATPは細胞のエネルギー産生に極めて重要であるが、これらはADPの量によって決まる。時計は、ミトコンドリアにあるADPを作る酵素の働きを活動期である夜間にADPの産生量を上げ、時計がないとATPが減少する。次に、我々の体を構成する細胞は恒常的なものでなく、常時、細胞が死に、その代わりとなる細胞が生まれている。この再生時に、核の成分である遺伝情報を担うDNAの構成成分となるdATP、dGTP、dTTP、dCTPの生成は、時計遺伝子によってコントロールされ、時計が無いと減少する。さらに、時計遺伝子Bmallの発現を肝臓で押さえると、肝臓での尿酸量が通常の倍以上に上がる。これは、時計欠損によりプリンの合成が弱まり、分解が亢進することによる。今回明らかとなった核酸酵素の日内変動の研究により、抗がん剤の副作用の日内変動を引き起こす重要な制御因子として、時計遺伝子による制御が示唆された。
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Research Products
(4 results)