2010 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞のイオンチャネル発現を制御する転写因子の決定
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09F09356
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
犀川 哲典 大分大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Yan 大分大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | イオンチャネル / 転写制御 / 不整脈 / holiday heart syndrome |
Research Abstract |
転写因子Csx/Nkx2.5の機能解析 我々の先行研究では転写因子Csx/Nkx2.5の過剰発現によりT型Ca^<2+>チャネル(Ca_v3.2)の発現が増強することを示した。また共同研究者の研究結果によるとCsx/Nkx2.5のノックダウンによりCa_v3.2の発現が低下することが示された。転写因子Csx/Nkx2.5とCa_v3.2の関係を以下の実験でさらに確認した。 1.Luciferase Assay法でmouse CACNA1hのpromoter領域のdual luciferase reporter assayを行い、Nkx2.5結合配列の機能を調べ、その作用部位の存在範囲を絞り込んだ。 2.薬理学的心肥大刺激(Endothelinなど)を与えて、Ca_v3.2のpromoter活性(転写因子の結合)が変化するか否かを評価し、Endothelinの作用によりCsx/Nkx2.5の転写活性が上昇することが明らかにした。 3.病的ストレスの刺激(エタノールなど)を与えて、Ca_v3.2のpromoter活性に関与するシグナル経路を調べ、エタノール-PKC-GSK3β一NFAT-Csx/Nkx2.5の経路を明らかにした。 病的ストレスの刺激(エタノールなど)による動物の心機能への影響評価 我々の先行研究の結果により、エタノールは心筋細胞のT型Ca^<2+>チャネルへ発現増強作用を介して、心機能に影響を与えることが証明された。今年度は食道ペーシング及び心電図記録法を用いてストレス刺激(エタノールなど)による動物の不整脈基質の変化(心房細動の発生確率)を評価した。その結果、エタノールの作用により、食道ペーシングによる心房細動の発作率が増加することがわかり、holiday heart syndrome発症の分子機序はT型Ca^<2+>チャネルの過剰発現に関与することが明らかにされた。 以上の成果をまとめて、学会で二回発表(第27回日本心電学会学術集会・大分、第61回西日本生理学会・長崎)し、論文を作成し、現在投稿中である。
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