2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しい強磁性強誘電体合成法の確立と電気・磁気特性最適因子の解明
Project/Area Number |
09F09608
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
木村 秀夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 情報通信材料研究萌芽ラボ, グループリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHAO Hongyang (独)物質・材料研究機構, 情報通信材料研究萌芽ラボ, 外国人特別研究員
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Keywords | 強磁性強誘電体 / ビスマスフェライト / 薄膜 / 複合ペロブスカイト / 結晶構造 / エピタキシャル成長 / 相転移温度 / マンガン添加 |
Research Abstract |
昨年度の成果を踏まえて、強磁性強誘電体薄膜の研究について以下の事項を実施した。 a)LuFe_2O_4、BiCrO_3における希土類等での置換膜を、既存の装置を用いてPLD(パルスレーザー堆積)法により成膜する。BiFeO_3系置換膜とは成膜条件が異なるため、成膜条件の相違について、原因を含めて検討した。 b)LuFe_2O_4、BiCrO_3における希土類等での置換膜を、既存の強誘電体テスターを用いて強誘電特性評価を評価する。昨年度までは低温での測定ができなかったが、本年度は別予算で温度制御装置と低温用プローバーシステムを購入して、液体窒素温度から500Kまでの温度範囲で特性評価を実施し、特性の温度依存性について評価する。さらに、既存のVSM、SQUIDを用いて磁気特性(ヒステレシスループ、ネール温度等)を評価した。これらの置換膜においても通常の方法ではリーク電流が大きくて強誘電特性の測定が困難と予想されるため、PUND(positive, up, negative and down)法により印加電界を変化させての測定を試みる。強誘電特性評価の際の周波数も1kHzまで変化させ、その時の変化について調べた。 c)LuFe_2O_4、BiCrO_3における希土類等での置換膜PLD用バルクターゲットについて、昨年度別予算で整備した高電圧電源と既存の強誘電体テスターを組み合わせ、薄膜の場合より印加電界を増加させて強誘電特性を評価する。さらに既存のVSM、SQUIDを用いて強(反)磁性特性、ネール温度を評価した。周期構造の影響で、バルクターゲットの場合は磁気特性がキャンセルされるため、薄膜の場合とは異なる磁気特性が得られた。 以上の研究成果を、2010年6月28日~7月1日に済州島で開催されたThe 7th Asian Meeting on Ferroelectricity and the 7th Asian Meeting on Electroceramics(発表題目:Origin of ferromagnetic property in Bi_2FeMnO_6)及び2010年8月8日~13日に北京で開催されたThe 16th International Conference on Crystal Growth(発表題目:未定)で発表した。
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