2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09727
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
斉藤 明 Nihon University, 文理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BRUHN-FUJIMOTO Henning 日本大学, 文理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | グラフ / クロー / クローフリー / サイクル / 誘導サイクル / カットセット / クリーク |
Research Abstract |
本年度は、クローフリーグラフにおいて指定された2頂点を通る誘導サイクルが存在するための条件を調べた。指定された非隣接2頂点x,yに対して、それらを分離するクリークが存在すれば、求める誘導サイクルが存在しないことは自明に分かる。しかし我々はそれだけが唯一の障害であり、そのようなクリークが存在しなければ常にx,yを通る誘導サイクルがあるのではないかと予想した。そこで調べてみると、xとyの距離が2の場合に反例が見つかった。一方xとyの距離が3以上あれば、予想は正しいことが分かった。また距離が2の場合にも、求める誘導サイクルの存在を妨げる条件を完全に決定することもできた。 一般のグラフでは、指定された2頂点を分離するクリーク有無を答える多項式時間アルゴリズムが存在し、一方指定された2頂点を通る誘導サイクルの有無を問う問題はNP-完全である。本結果はクローフリーグラフでは後者がクラスPに属していることを示しており、意義深い。このように本年度は当初の目的を達成することができた。
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