2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09740
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
谷口 亨 Kwansei Gakuin University, 理工学部, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JACQUET PhilippeA. 関西学院大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 非平衡 / 電子系 / 輸送現象 / 量子散乱理論 / 揺らぎ / 確率過程 |
Research Abstract |
今年度は、2年間で実行されることが計画されている本研究の最初の半年に当たる。そこで、まずこれから本研究において考察する非平衡モデルと、その解析に適切な理論的手法の選定を行った。予備的な考察として、1次元1電子系の輸送モデルから始め、さらにそのような1次元系を組み合わせたネットワークモデル系の具体的な計算およびその外場や初期エネルギー依存性などの考察を進めた。これらの考察に用いる解析手法としては、量子散乱理論的アプローチを主に用いている。また、それらに加えて、2電子系モデルの数値計算を行い、その輸送現象の振る舞いに現れる粒子間相互作用の効果などの計算と考察を進め、また、それらの計算を通して量子力学的輸送現象の数値計算に必要な様々な方法の長所や短所などについて比較検討を行った。 また、そのような量子力学的な輸送現象とは別に、現象をより微視的に観察していくにつれてより重要になっていくと期待される様々な揺らぎの効果が、輸送現象の熱力学的な考え方とどのように両立していくべきかということを、確率過程を用いたアプローチを用いて考察した。これらの内容については、関西学院大学で開かれた研究会「第5回生体分子システムの物理科学研究センター研究会」およびバングラデシュのダッカ大学で開かれた国際会議「International Conference on Recent Advances in Physics 2010」にて発表された。
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Research Products
(2 results)