2009 Fiscal Year Annual Research Report
ルイス塩基触媒を用いる有機ケイ素化合物とカルボニル化合物との触媒的不斉反応の開発
Project/Area Number |
09F09765
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 修 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YOO Woo-Jin 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ワンポット反応 / ホウ素触媒 / 高分子固定化触媒 / マイケル反応 / 酸素酸化反応 / 金属ナノクラスター触媒 |
Research Abstract |
研究代表者、分担者らは既に、ポリスチレンを基盤とする高分子に固定化した金ナノクラスター触媒(PI Au)が、アルコールやヒドロキノンの酸素酸化反応に有効に機能すること見いだしている。今回、本触媒にルイス酸もしくはルイス塩基触媒機能を導入し、ワンポット酸素酸化、炭素-炭素結合形成反応に有効で回収、再使用可能な固体触媒の開発を目指し検討を行った。その結果、PI Au触媒が1,3ジカルボニル化合物のメチルビニルケトンへの1,4付加反応を有効に触媒することを見いだした。活性種を同定するため固体NMR解析、ICP分析等を行った結果、金塩を還元する際に用いた水素化ホウ素ナトリウムがホウ酸エステル化合物として高分子中に固定化されたものが活性種であることを見いだした。そこで、高分子担体と水素化ホウ素ナトリウムから調製した固体触媒(PI B)を用いて検討を行った結果、本触媒が様々なマイケル反応に高い活性、選択制を持って対応する付加体を与えることを見いだした。また、本触媒は簡便な濾過のみで活性を維持したまま回収再使用が可能であった。 さらに、金、白金、水素化ホウ素ナトリウム、カーボンブラック、高分子担体から調製された触媒(PI/CB-Pt/Au/B)を触媒として用いたところ、穏和な条件下、酸素雰囲気下、1,3ジカルボニル化合物と3-ブテン2-オンから酸化付加生成物が得られ、当初の目的としていた単一触媒によるワンポット酸素酸化、炭素-炭素結合形成反応が進行することを見いだした。今後、さらなる基質の適用範囲の検討、フロー合成装置への応用等を行っていく予定である。
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Research Products
(2 results)