2009 Fiscal Year Annual Research Report
量子情報処理アーキテクチャーにおける誤り特性に関する研究
Project/Area Number |
09F09770
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
根本 香絵 National Institute of Informatics, 情報学プリンシプル研究系, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EVERITT Mark Stanly 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 外国人特別研究員
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Keywords | 応用光学・量子電子 / 量子エレクトロニクス / 量子コンピュータ |
Research Abstract |
今年度は、まず、原子モジュールを用いた量子情報処理の実現性について考察した。原子モジュールを用いた場合には、原子のエネルギー固有状態間のエネルギー・ギャップに由来する問題から、このようなデザインは現在の技術では実現化が非常に困難であることが判明した。原子の状態間のエネルギーギャップが10GHzのオーダであると考えられるため、ピコ秒のオーダーでの操作が必要となることが予想される。想定される物理系で見られる転移時間はこれより長いため、この方法は物理的に非常に困難であることがわかった。解決方法としては、例えばサブ状態を用いて、エネルギーギャップを小さくすることで要求される転移時間を長くすることが考えられるが、それを満たす条件を見いだすのは難しいと考えられる。 また、Qubus型の量子情報処理について、クラスター状態生成の方法の最適化に取り組んだ。最適化によるクラスター状態生成の効率を従来の方法と比較し、グラフにまとめた。効率化は、少なくとも一つの量子ビットが量子バスに常時エンタングルしていることで得られ、新しい方法は生成効率に優れるが、一方で従来のものと比較して、エラーの伝搬が起こりやすいという問題があることが判明した。 一方、NTTの実験グループの成果をもとに、超伝導量子ビットとマイクロ波系のモデルとエラー特性を考察した三今後はこれを元にエラーのモデルを立てて、数値的に解析し、エラー特性と2準位Fluctuatorsの振る舞いを解析する予定である。
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