2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代強誘電体メモリ用強誘電体材料の電気的および物理的特性評価
Project/Area Number |
09F09816
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
舟窪 浩 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHENTIR M.-T. 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 強誘電体メモリ / モデル実験 / 新物質探索 / 基礎特性 / 温度依存性 |
Research Abstract |
強誘電体メモリ(FeRAM)は、現在コンピュータのメインメモリとして使用されているDRAM並みの高速動作と、電源を切っても情報が保持される不揮発性を併せ持つ"究極のメモリ"として開発された。日本のメーカーが世界に先駆けて商品化し、JRのスイカ等に幅広く使われている。しかしFeRAMを高密度化し、コンピュータのメインメモリとするためには、大きな強誘電性をもつ新物質の探索と、その物質の信頼性確保が不可欠である。本研究は、エピタキシャルのモデルサンプルを用いることで、新物質の探索とその信頼性確保を行おうとする野心的な研究である。 初年度はまず、新規強誘電体物質の探索を行った。組成探索指針としては、Pb(Zr,Ti)O_3[PZT]に固溶させるキュリー温度(Tc)が上昇する可能性のある物質を探索することとした。これは、キュリー温度を上昇させると、自発分極値を上昇できる可能性があるからである。候補材料としてPbTiO_3に固溶させると70が上昇することが報告されているBi(Zn_<1/2>Ti_<1/2>)O_3をPb(Zr_<0.35>Ti_<0.65>)O_3に固溶させることとした。(100)cおよび(111)cに配向したSrRuO_3//SrTiO_3基板上に、溶液法を用いてPb(Zr_<0.35>Ti_<0.65>)O_3-Bi(Zn_<1/2>T_<1/2>)O_3を作製した。しかし10%までBi(Zn_<1/2>Ti_<1/2>)O_3を固溶した範囲では、残留分極値(Pr)の上昇は認められなかった(こうしたPrの減少は、(100)cおよび(111)cの両方の結晶方位で観察された。膜の正方晶性(a軸とc軸の格子定数比、c/a比)もBi(Zn_<1/2>T_<1/2>)O_3の固溶によって低下しており、10%までの固溶では、顕著な特性改善は認められなかった。
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Research Products
(1 results)