2010 Fiscal Year Annual Research Report
アジア諸国の農業分野における気候変動と適応に関する経済分析
Project/Area Number |
09F09817
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武内 和彦 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 副機構長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GEETHA Mohan 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 外国人特別研究員
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Keywords | 気候変動 / 米生産 / リガーディアン・アプローチ / 純収入 / 適応 |
Research Abstract |
2010年度では、インド・スリランカ・タイにおける調査研究目的のための、第1次・2次データ収集を行った。現在の研究では,計量経済学と農学モデルを用い、選定された地域の異なる気候条件下における、様々な稲品種に焦点を当てている。 最初の事例研究は、2010年2月から3月までタイ・コンケーン州にて行われた。調査は主に米生産地域である州内11地区で行われ、コンケーンの農務省から得た保有地のサイズデータをもとに対象世帯が選定された。世帯レベルでのデータは2008年から2009年のもので、特に2008年5月から10月の雨季と2008年11月から2009年4月の乾季のデータを収集した。2010年4月から5月にかけて,収集したデータの作表と分析を行った。 2つ目の事例研究は2010年6月から7月にかけて、インドの南部に位置する沿岸のアーンドラ・プラデーシュで行った。調査地域は、ヴィジアナガラム、ヴィシャーカパトナム、東ゴーダーヴァリ、クリシュナといった主に米生産に力をいれている地域で行った。地域全域の気候変動性の空間分布を捉えるため、農業気候地帯に応じてサンプル地区を選定し、さらにインド政府農務省から得た保有地のサイズデータを元に、250世帯のサンプルを選定した。世帯レベルで収集したデータは2009年から2010年にかけてのもので、特に2009年6月から11月までのカリフ季と2009年12月から2010年3月のロビ季のデータであった。2010年6月以降に、現地での世帯調査データ等の作表を行った。最後の事例研究は2011年5月にスリランカで行う予定である。 2010年5月には、米国で開催された「シュミレーションモデルを使用した穀物生産、栄養物のマネジメント、気候リスクと環境サステイナビリティの評価」をテーマとした、農業技術転換の意思決定支援システム(DSSAT)バージョン4.5に関するワークショッブに参加した。2010年10月にはDSSAT4.5穀物モデルについて、東京の国際連合大学サスティナビリティと平和研究所にて講義を行った。 科学研究費補助金については、ほぼ当初の計画通り使用した。申請書に記述したとおり、タイとインドの地域での第1次、2次データ収集、及び米国でのワークショップへの参加に掛かる費用に使用した。
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