2009 Fiscal Year Annual Research Report
複数衛星・地上観測点を用いた内部磁気圏磁場振動三次元構造の解明
Project/Area Number |
09J00487
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺本 万里子 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | サブストーム / Pi2地磁気脈動 / 衛星データ / HFレーダー / 海底磁場 |
Research Abstract |
サブストームが起きた2004年3月5日22:12UTに、4機の極軌道衛星で構成されるCluster衛星が観測した11mHzの周期を持つ、圧縮波成分の磁場擾乱について調べた。このとき、Cluster衛星は、内部磁気圏の高緯度高高度に位置し、電子のエネルギーフラックスの観測から、プラズマ圏外に位置していたことがわかった。この事例と同時刻に、夜側に位置する地上観測所(SAMNET・IMAGE・Hermanus・南極)で観測されたPi2地磁気脈動の比較を行った。Cluster衛星に観測された圧縮波成分の擾乱は、低緯度に位置するHermanusとSAMNETの中緯度観測所のH成分に観測されたPi2地磁気脈動と逆位相の関係にあり、非常に対応がよい(コヒーレンス~1)。一方で、SAMNETの中・高緯度の観測所、IMAGEの高緯度観測所で観測されたPi2地磁気脈動の分極は、低・中緯度のSAMNETのPi2地磁気脈動の分極とは性質が異なり、サブストームに伴う沿磁力線電流に関係していることが分かった。また、アイスランドのThykkvibaerに設置されているHFレーダーの電離層電子のドリフト速度の観測から、電離層の電場が、低緯度観測所で観測されるPi2地磁気脈動と同周期の擾乱をもつ事がわかった。 地上の低緯度に位置する柿岡観測所で観測されたPi2地磁気脈動と、鳥取沖の三点に設置された海底磁力計によって、2008年6月-7月の期間に観測された、Pi2地磁気脈動の比較を行った。浅海のPi2地磁気脈動の振幅は、地上に対して減衰し、水深が深くなるにつれ、その減衰値は理論的に計算された値よりも大きくなることを統計的に示した。 極軌道衛星・DE-1、赤道軌道衛星・AMPTE/CCEの観測した内部磁気圏の磁場擾乱と夜側に位置する柿岡観測所が観測したPi2地磁気脈動を比較した。AMPTE/CCE衛星とDE-1衛星の同時観測から、磁気赤道軌道面付近と、圧縮波成分のPi2地磁気脈動が、多数同時に、存在する事が明らかにした。
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