2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規IgM受容体Fcα/μ受容体の濾胞樹状細胞における機能解析
Project/Area Number |
09J00662
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
臼井 健太 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | Fcα / μ受容体 / 濾胞樹状細胞 / IgM / IgA / 骨髄キメラマウス / 胚中心形成 |
Research Abstract |
【目的】濾胞樹状細胞(FDC)は、脾臓及びリンパ節の胚中心に局在し、樹状突起を伸ばし、3次元の網状組織を形成している。また補体レセプターやFcγRIIbを介して抗原を細胞表面上に長期間保持して、B細胞へ効率的に提示することによって、胚中心形成、クラススイッチ、メモリーB細胞の分化、体細胞突然変異による抗体の親和性成熟に重要な役割を果たしている。当研究室はIgM及びIgAに対する新規Fc受容体であるFcα/μ受容体(Fcα/μR)を同定し、Fcα/μRに対するモノクローナル抗体を用いた免疫組織染色による発現解析の結果、Fcα/μRがFDCに高発現していることを見いだした。本研究は、FDCにおけるFcα/μRの機能を明らかにすることを目的とする。 【結果】FDC上のFcα/μRの機能をin vivoで解析することを目的に放射線照射したFcα/μRノックアウトマウス及び野生型マウスへ野生型マウス由来の骨髄を移植した骨髄キメラマウスを作製した。FDCは放射線抵抗性であることから、これらの骨髄キメラマウスは血球細胞上にFcα/μRが発現し、FDCを含む非血球細胞上にもFcα/μRが発現したマウス(FDC^<WT>)もしくは消失したマウス(FDC^<KO>)となる。これらのマウスに対し、TNP-Ficollを尾部静脈より投与し、免疫組織染色法にてFDC上の抗原捕捉量を観察したところ、投与12時間及び24時間後には、FDC^<KO>マウスのFDC上での抗原捕捉の亢進が確認された。よってFcα/μRはFDCにおける抗原捕捉を負に制御している可能性が示唆された。また、collagenase処理して調整した脾臓細胞を各種細胞表面抗原に対する抗体を用いて染色し、フローサイトメトリー法によって詳細な解析を行った結果、CD45^-、VCAM-1^+、FDC-M2^+のFDC分画を単離することに成功した。
|