2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規IgM受容体Fcα/μ受容体の濾胞樹状細胞における機能解析
Project/Area Number |
09J00662
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
臼井 健太 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Fcα/μ受容体 / 濾胞樹状細胞 / IgM / IgA |
Research Abstract |
【目的】濾胞樹状細胞(FDC)は、脾臓及びリンパ節の胚中心に局在し、樹状突起を伸ばし、3次元の網状組織を形成している。また補体レセプターやFcγRIIbを介して抗原を細胞表面上に長期間保持して、B細胞へ効率的に提示することによって、胚中心形成、クラススイッチ、メモリーB細胞の分化、体細胞突然変異による抗体の親和性成熟に重要な役割を果たしている。当研究室はIgM及びIgAに対する新規Fc受容体であるFcα/μ受容体(Fcα/μR)を同定し、Fcα/μRに対するモノクローナル抗体を用いた免疫組織染色による発現解析の結果、Fcα/μRがFDCに高発現していることを見いだした。本研究は、FDCにおけるFcα/μRの機能を明らかにすることを目的とする。【結果】collagenase処理を施した抗原未感作マウス由来脾細胞よりCD45陰性FDC-M2陽性細胞分画を同定し、さらにFACSAriaを用いて単離することに成功した。さらにTNFα及びLTβRアゴニスト抗体存在下で7日間の培養後、免疫染色を施したところ、細胞がネットワークを形成している様子が観察され、in vivoにおけるFDCの構造的特性が再現された。B細胞との共培養により、陰性対象群に比較し、B細胞の生存率の亢進、LPS刺激応答性のB細胞の増殖の亢進が確認された。これらの結果より、申請者のマウスから単離したCD45陰性FDC-M2陽性細胞はFDCであることが確かめられた。現在報告されている単離法が抗原感作後のリンパ節における活性化したFDC(FDC-M1陽性細胞)を標的に行われていることを考えると、申請者の開発した抗原未感作マウス脾臓からの単離法は、質、数ともに実験を行うにあたり、非常に優れたものであると考えられる。
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