2009 Fiscal Year Annual Research Report
強調された相互作用を有する二次元カーボンネットワークの構築
Project/Area Number |
09J00664
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 貴志 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 多環芳香族化合物 / 渡環環化反応 / デヒドロアヌレン / ゼトレン |
Research Abstract |
新奇な多環芳香族化合物の合成およびその特性の解明を目指し、以下の研究を行った。 1.中心部に異なるサイズの環を有する三つ葉型縮環アヌレノアヌレンの合成 デヒドロ[n]アヌレン(n=6, 12, 18)の周囲に[14]アヌレンを縮環したアヌレノアヌレンを合成した。UV-Vis、蛍光スペクトルからその吸収特性は中央のアヌレン環によって大きく影響を受けることが確かめられた。 2.ビス(テトラデヒドロ[10]アヌレン)の合成研究 報告者の所属研究室ではジナフトテトラデヒドロ[10]アヌレンの合成と渡環環化によるゼトレン誘導体への変換を見出している。報告者はその拡張系となるビス(テトラデヒドロジナフト[10]アヌレン)の合成を目指し、新規なテトラデヒドロジナフト[10]アヌレンの効率的合成法を検討した。新たな合成経路としてアセチレン架橋されたナフトアルデヒドの分子内McMurryカップリング、生じたジオールの塩素化、続く脱離反応によるゼトレンの合成を検討した。その結果、McMurryカップリングで得られたジオールの塩素化の段階が困難でありこの経路による合成を断念した。現在、異なる方法を用いたビス(テトラデヒドロ[10]アヌレン)の合成を行っている。 3.オクタデヒドロジベンゾ[12]アヌレンの反応性の検討 近接位に強制されたアセチレンの反応性の調査の一環として、オクタデヒドロジベンゾ[12]アヌレンの反応性を検討した。その結果、臭素を作用させると二種類のインデノフルオレン誘導体が高収率で得られることが分かった。現在、反応性の詳細を調査している。
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[Journal Article]2010
Author(s)
Y.Tobe
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Journal Title
Polynuclear Cyclophanes in Science of Syntesis Volume 45b(Georg Thieme Verlag KG)
Pages: 1311-1348
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