2009 Fiscal Year Annual Research Report
逆拡散火炎のメカニズム解明とバイオマスガス改質への応用
Project/Area Number |
09J00752
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中塚 記章 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 逆拡散火炎 / 木質バイオマス / ガス化発電 / タール改質 / すす / 多環芳香族炭化水素 / 部分燃焼 / 光学計測 |
Research Abstract |
「研究の目的」:タール成分としてすすの前駆物質とされる芳香族炭化水素を含むバイオマスガス中に形成された逆拡散火炎の燃焼機構を解明し,部分燃焼によるバイオマスガスの改質に応用する. 「研究実施計画」 1.多環芳香族炭化水素(PAH)の二次元分布を非接触で計測可能な,レーザー誘起蛍光法の導入 2.軽質ガスと凝縮成分を同時に分析可能な専用の多成分燃焼ガス同時分析システムを設計し導入 3.数値計算のための計算モデル及び計算スキームを決定し,導入 4.多成分燃焼ガス同時分析システムと数値計算の結果から,PAHの分解・重合挙動を考察 以下,上記の1.~4.に照らして記述する. 「具体的内容・意義」 1.導入を完了.励起波長としてNd:YAGレーザーの第三高調波(355nm)を用いる.既に導入していたすす体積分率の二次元分布を非接触で計測可能なレーザー誘起赤熱法で用いる第二高調波532nmと前述の355nmのレーザービームから同時に計測用の二波長のレーザーシートを形成するための光学系を導入した.同一平面におけるすすとその前駆物質とされるPAHの二次元分布を把握可能となった. 2.設計,導入を完了.燃焼ガスを適切な温度で直接捕集することで,常温で気体状態の軽質ガスと水蒸気やPAH等の凝縮成分を同時に同一システムで分析することにより,部分燃焼に伴う燃料ガスの組成変化における物質収支,エネルギー収支を把握することが可能となった. 3.計算モデルとしてCHEMKIN-Proの押し出し流れ反応モデル(Plug Flow Reactor)を,計算スキームとしてRichterらが構築した化学反応スキーム(158化学種,872素反応)を採用し,多成分から成るバイオマスガスの燃焼過程に対して活性化学種を考慮した詳細化学反応計算を行うことが可能となった. 4.PAHの成長機構とその反応速度に対して,燃焼条件の変化に伴う活性化学種の濃度変化からの考察が可能となった.その結果,実験結果を反応経路の変化から考察することが可能となった.
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Research Products
(3 results)