2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00757
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邉 皓子 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 太陽黒点 / Swedish Solar Telescope / CLASPロケット / 偏光解析装置 / 国際研究交流(スペイン) |
Research Abstract |
平成22年度の交付申請書には研究実施計画として4つのテーマを挙げた。(1)アメリカNational Solar Observatoryの研究者との共同観測の結果を論文にまとめ、再投稿し出版する(2)スペイン・グラナダへの2ヶ月滞在と、共同研究(3)国立天文台でのCLASPロケット実験のための装置開発.(4)Swedish Solar Telescopeのデータを用いたエラーマンボムの解析の4つである。それぞれ、目標がどこまで達成されたかを記述する。 (1)裏面の査読論文に掲載されている"Temporal Evolution of a Rapidly-Moving Umbral Dot"がアメリカの研究者との共同観測をまとめたもので、2010年9月にSolar Physicsへ掲載、出版された。 (2)2010年9月26日から11月27日の約2ヶ月も渡り、京都大学GCOE双方向プログラムでスペインのグラナダにあるInstitute de Astroftsica de Andaluciaに滞在した。オスロ大学とスペインが協同で観測した2008年の黒点観測データを解析し、受け入れ教官であるLuis R. Bellot Rubioとほぼ毎日議論を繰り返した。黒点の微細構造の時間変化を追う事が出来るデータは貴重で、磁場の空間変化に興味深い現象を発見した。一から始めたデータ解析は、2ヶ月で論文の形になるレベルまで完成させた。現在The Astrophysical Journalに提出するための論文を執筆しており、今年度中の出版を目標としている。 (3)日米共同ロケット実験であるChromospheric Lyman-Alpha Spectro-Polarimeter (CLASP)は2014年夏の打ち上げを予定し、現在光学系の設計を進めている。私が担当しているのはCLASPに搭載する偏光解析装置の設計と開発であり、今年度はそのcomponent(波長板、偏光アナライザー、ビーム・スプリッター)開発と、Engineering modelの製作と検証試験を行なった。Engineering modelは機械精度と測定精度の両方において設計公差を満たしており、偏光解析装置のデザインがほぼ完成した。 (4)昨年からオスロ大学の研究者とともに始めたEllerman bombの観測論文は、2010年2月に査読論文のThe Astrophysical Journalへ提出した。主な結果は、"Ellerman bombは光球での磁気リコネクションであることの形態的な証拠を発見した"ことである。現在はreferee reportを受け取り、それ、に基づいた改訂を行なっている所である。Referee reportでは"worthy of being published"と高い評価を受けている。
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Research Products
(3 results)