2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫モデルマウスを用いた新規制御因子の探索と機能解析
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09J00808
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小出 直史 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1) (40714126)
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Keywords | 神経芽腫 / MYCN / マイクロアレイ / tumor sphere / Csrnp3 / Dock4 / Pik3r1 |
Research Abstract |
申請者らは、これまでの結果として、MYCN-トランスジェニックマウスの腫瘍組織から単離・培養したtumor sphereとマウス海馬由来の神経幹細胞との網羅的遺伝子解析からtumor sphereと腫瘍発生を結びつけるヒントを掴むに至らなかった。また、我々は昨年までの網羅的解析から得られた候補遺伝子の中から、NeuroD1と神経芽腫の進展について報告をした(Huang et al. 2011 Cancer Res)。しかし、候補遺伝子が多いこと、多くの候補遺伝子に対して並列化できるスクリーニング系を持っていないこと、そして将来的な研究の効率を考慮して候補の絞り込みに必要な情報を再構築することとした。 はじめに、tumor sphereが腫瘍発生因子や進展因子をenrichしていると仮定し、tumor sphereと腫瘍組織の発現プロファイルを次世代シークエンサーで解析した。その結果、tumor sphereで発現量が2倍以上高い遺伝子を111個ピックアップした。次に、正常な腹腔交感神経節と腫瘍組織の発現プロファイルについてマイクロアレイを用いて解析した。その結果、腫瘍組織で発現量が2倍以上高い遺伝子を726個ピックアップした。続いて、それらで共通してピックアップした遺伝子について、オランダの臨床データベースR2を用いて発現量と生存曲線の相関をとり、有意差のある遺伝子を3つ(Csrnp3,Dock4,Pik3r1)ピックアップした。そして、絞り込んだ3つの遺伝子についてin situ hybridizationとqPCRを用いて時系列毎の発現プロファイルを解析した。その結果、モデルマウスにおいて腫瘍が発生すると考えている生後2週の段階で3遺伝子とも興味深い挙動を示した。現在、過剰発現ベクターとshRNA、siRNAのデザインを進め、神経芽腫細胞株を用いて候補遺伝子の詳細な機能解析を進めている。
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Research Products
(4 results)