2009 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザー衝撃波によるシリコン高圧金属相の創成
Project/Area Number |
09J00825
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻野 雅之 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フェムト秒レーザー衝撃波 / シリコン高圧相 / 凍結機構解明 / 金属 / 衝撃圧縮 / 静水圧縮 |
Research Abstract |
フェムト秒レーザー衝撃波を負荷することにより凍結されたシリコン高圧相の金属特性を評価するため、走査型プローブ顕微鏡の電圧-電流測定モードによりレーザー照射部の電圧-電流の関係を測定したところ、凍結されたシリコン高圧相が多量に存在する領域ほど抵抗値が小さい傾向が得られ、このことから凍結されたシリコン高圧相が金属である可能性が示唆された。今後はより丁寧な試料準備と精度の高い測定を行っていくことにより、凍結されたシリコン高圧相が金属であることの確認を行っていく。 フェムト秒レーザー衝撃波によってシリコン高圧相が凍結される機構を明らかにするために、比較としてパラメータとして歪み速度や圧力負荷時間、圧力解放速度、温度履歴などが異なる他圧縮法を負荷したシリコンの結晶構造解析を行った。火薬銃を用いた従来の衝撃圧縮を負荷したシリコンに対してX線回折法により結晶構造を測定したところ、圧力負荷前と比較してマクロ情報として新たな結晶構造の生成は確認されなかった。今後は放射光を用いたX線回折や透過電子顕微鏡などにより、精度の高い測定を行うことによりミクロ情報を取得することにより結晶構造変化を同定し、凍結機構の解明へとつなげていく。衝撃圧縮と同様にダイヤモンドアンビルを用いた静水圧縮の実験も準備中である。 また、フェムト秒レーザー衝撃波を負荷したシリコンの結晶構造解析として、放射光を用いてのX線回折を行った。実験目的は、これまでに確認されていたレーザー照射スポット毎に配向の乱れ方に違いがある原因を探るためであり、凍結機構の解明につなげるためである。今回の実験ではこの原因を解明することは不可能であったが、シリコン高圧相の凍結を確認できる再現性のある結果を得ることが出来た。
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Research Products
(3 results)