2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J00866
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 隆行 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | サブポルフィリン / ポルフィリンテープ / 環拡張ポルフィリン / サイクリックボルタメトリー / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
・フェロセンをメゾ位置換基に導入した2種類のサブポルフィリンを鈴木カップリング及び酸縮合反応により合成した。これらの化合物はフェロセンからサブポルフィリン骨格への電子移動によりその蛍光が消光することがわかった。メゾ直接フェロセニル置換サブポルフィリンにおいてはサブポルフィリン母核を介してフェロセン同士の相互作用が見られ、サイクリックボルタメトリー測定において第一酸化電位の分裂が見られた。その分裂幅は約150mVであった。メゾ(4-フェロセニルフェニル)サブポルフィリンではそのような分裂は見られなかった。 ・新規縮環ポルフィリノイドの合成を目指し、ポルフィリンとヘキサフィリンがそれぞれ1つのメゾ位と2つのベータ位で三重に架橋されたポルフィリンヘキサフィリンハイブリッドテープの合成に成功した。またそのロジウム(1)二核錯体において明確な芳香族性と反芳香族性の変換が可能であることを明らかにした。 ・電子求引性のペンタフルオロフェニル基を有するポルフィリンテープの合成に初めて成功し、二量体及び三量体のX線結晶構造解析にも成功した。ペンタフルオロフェニル基の導入により化合物の溶解性が向上し、'また酸化電位も高くなり、酸化に対する安定性が増大することが明らかとなった。また合成法を応用することで金属複核錯体や、中心にフリーベースポルフィリンを有するポルフィリンテープ三量体の合成にも成功した。これら一連のハイブリッドポルフィリンテープ類の磁気的、電気化学的、分光学的性質をそれぞれ明らかにした。
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Research Products
(10 results)