2009 Fiscal Year Annual Research Report
GLAST時代における宇宙X線・ガンマ線背景放射と活動銀河中心核
Project/Area Number |
09J00878
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 芳幸 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 理論天文学 |
Research Abstract |
本研究課題において申請者はセイファート型とブレーザー型の活動銀河核(AGN)双方を研究してきた経験を生かし以下の研究に取り組んでいる。まず、2008年6月に打ち上げられたガンマ線衛星Fermi(申請時点ではGLAST)や今後X線や高エネルギーガンマ線でも新望遠鏡が計画されている。新しい観測データと申請者のAGN種族の宇宙論的進化モデルを比較解析ずることで宇宙X線・ガンマ線背景放射の解明を目指している。さらにAGN種族の宇宙論的進化モデルを統合し、天文学において大きな謎の一つであるAGNと超巨大質量ブラックホールの形成進化の解明を目指している。 まず申請時に取り組んでいたブレーザーの新しい光度関数モデル及びガンマ線背景放射に関する研究をApJ誌に投稿し、出版した(Inoue & Totani 2009研究発表(1)論文)。本研究の結果は2009年11月にアメリカのワシントンD.C.で開催された2009 Fermi Symposium(参加者約400人)の場でも報告している。申請者の発表はPlenary talkに選ばれており申請者のモデルは世界的に注目されていると言える。 Fermi衛星によるガンマ線背景放射の結果も昨年報告されている。申請者のモデルとFermi衛星の結果を比較するとAGNだけでは背景放射強度の約60%程度しか説明できない結果となった。つまり、他のガンマ線背景放射起源(星形成銀河やパルサー)を考える必要がある。また、ブレーザーのフラックス分布の結果も発表されており、今後フラックス分布や赤方偏移分布の観測結果と理論モデルを比較解析することがAGN進化および背景放射を理解する上で重要である。
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Research Products
(8 results)