2010 Fiscal Year Annual Research Report
相対論的流体における散逸の実用的解法の開発とその高エネルギー天体物理過程への応用
Project/Area Number |
09J01061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高本 亮 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 相対論的流体力学 / 相対論磁気流体力学 / 相対論的散逸理論 |
Research Abstract |
私は上記のような研究課題に基づき、相対論的な散逸理論の実用化に向けた研究を行った。相対論的な散逸理論は、非相対論の散逸理論を単純に相対論へ拡張した理論が非物理的な不安定性を持つという問題がある。この問題を解決するためには、粘性と熱伝導の場合にはそれらの時間発展を、オーム散逸の場合は電場の時間発展を追う必要がある。しかしその場合それらの変数の時間発展は流体現象の時間発展の時間に比べ大変早く、それらをきちんと再現するには大変な計算コストが必要になる。私はこれらの問題を、時間発展方程式の形式解を用いて時間発展させることにより解決した。形式解は差分近似を用いていないため、差分近似の場合に発生した時間刻みを短くするという問題はなく、安定に精度よく時間発展できる。このように問題を解決し、新しく作成したコードを用いて行った計算の結果は2010年9月に行われた日本天文学会2010年度秋季年会などで発表した。 以上のように今年度は研究計画通りに散逸の実用的な解法の開発に加え、オーム散逸を考慮した相対論的磁気流体力学の実用的解法の開発に成功した。来年度以降はこれらを実際の宇宙の高エネルギー現象に実際に適用していく予定である。
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Research Products
(3 results)