2010 Fiscal Year Annual Research Report
精細管上皮に発現する新規細胞間接着分子Ceacam6-Lの研究
Project/Area Number |
09J01324
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
栗尾 仁之 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CEACAM6 / CEACAM6-L / セルトリ細胞 / 中間径フィラメント |
Research Abstract |
当該年度は平成20年度までに申請者が単離したラット精巣における新規細胞間接着分子として予測されるCEACAM6-Lと、そのアイソフォームであるCEACAM6について解析を行った。 平成21年度に、ラット精巣切片をサンプルとした免疫組織化学的解析を行った結果、CEACAM6はセルトリ細胞の中間径フィラメントであるVimentinと共局在することを明らかにしている。さらにラット精巣の発生段階におけるCEACAM6の局在解析を行うため、生後1~4週齢のラット精巣切片を用いて免疫組織化学的解析を行った。その結果、CEACAM6は生後の発生を通して、著しく形態を変化させるVimentinフィラメントと共局在していることを明らかにした。 平成21年度に、哺乳類培養細胞において過剰に発現した全長266アミノ酸からなるCEACAM6タンパク質が、内因性の中間径フィラメントであるVimentinを核周辺部に凝集させることを明らかにしている。この凝集メカニズムを詳細に解析するため、C末118アミノ酸欠損CEACAM6とN末144アミノ酸欠損CEACAM6を哺乳類培養細胞に発現させたところ、前者でのみVimentinの凝集が観察された。この結果、細胞内におけるCEACAM6によるVimentinの凝集には、Ig-likeドメインを含むCEACAM6前半部分が必要であることを明らかにした。 以上のことから、CEACAM6はセルトリ細胞において中間径フィラメントの構築または維持に関与していると考えられる。セルトリ細胞における中間径フィラメントと相互作用する分子の機能については未解明な点が多く、本研究は複雑な精子形成メカニズムに新たな進展をもたらたす可能性がある。
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Research Products
(10 results)