2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウラジーミル・ナボコフにおける翻訳・バイリンガリズムの諸問題
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09J01605
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋草 俊一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD) (70734896)
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Keywords | 自己翻訳 / バイリンガリズム / 比較文学 |
Research Abstract |
昨年度から優秀若手海外派遣事業のため滞在していた米国ウィスコンシン大学マディソン校で、引き続き研究調査を行った。授業やシンポジウムなどにも積極的に参加し、現地の研究者との交流を深めた。また6月にはワシントンDCおよびニューヨークに滞在して、それぞれ議会図書館とニューヨーク公共図書館でナボコフの原稿(未発表のもの含む)の調査も行った。こうした資料収集の結果、ナボコフやそのほかのバイリンガル作家についての知見を深めることができた。アメリカの国際ナボコフ協会のジャーナルThe Nabokovianに、日本のナボコフ研究の実態をレポートする文章を発表した。7月に帰国した。 その後、愛知淑徳大学で行われた日本ナボコフ協会の秋の研究会で研究発表「カスビームの床屋再訪」を行い、アメリカでの研究成果の一端を披露する機会を持った。国際ナボコフ学会のプロシーディングスRevising Nabokov Revisingに発表の内容に手を加えた英語論文Nabokov's "Natural Idiom" : From "First-rate" Russian to "Second-rate" English発表した。2011年3月には、今までの本テーマにおける研究成果のひとつのまとめとして、単著『ナボコフ 訳すのは「私」-自己翻訳がひらくテクスト』を東京大学出版会から上梓することができた。
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Research Products
(4 results)