2010 Fiscal Year Annual Research Report
低環境負荷蛍光ナノ粒子の合成と特性制御に関する研究
Project/Area Number |
09J01664
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡邊 厚介 九州大学, 総合理工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ナノ粒子 / CuInS2 / Cdフリー蛍光なの材料 / コンビナトリアルシステム / 合成条件の最適化 / 高速開発 |
Research Abstract |
従来のCdSeナノ粒子に代わる蛍光ナノ材料の開発として、Cu-In-S系ナノ粒子(CIS)について研究を進めてきた。このCISは近年蛍光材料として注目を浴びてきており、ここ近年で研究グループが急激に増加している。平成21年度では緑から赤色で蛍光を示すCIS系ナノ粒子の合成に成功した。しかし多種多様な合成条件が存在するために、最適条件の探索や原料選択に非常に苦労をすることを実感した。そこで、前年に引き続き、ナノ材料の高速開発を行うため、マイクロリアクターを接続したコンビナトリアルシステムの開発を本年度では行った。材料としてはCdSeを使用したが、約4500条件の合成を約1ヶ月で行い、再現性はもちろんのこと、合成系に関する新たな知見を得た。特にデータ解析には共同研究を行っている産業技術総合研究所がニューラルネットワーク解析を導入し、結果を予測することでより合成数を減らすことが可能性として見えてきた。今後ナノ粒子は実用化に向けて最適な材料が望まれるが、約4500の合成結果から、3次元的にグラフを作成することで、合成条件の最適化からその合成系における限界までを知ることが可能となった。スクリーニングシステムと解析手法の確立をしたことで、これまで世界中でなされてきた合成系の選択から合成条件の最適化までを一気に行えるようになった。上記の成果は国際会議等で発表を行い、現在論文としてまとめている段階である。以上のように、このシステムの重要性は今後ナノ材料開発を行う上で必須となると考えている。今年度にはCISナノ粒子にこのコンビナトリアルシステムを適応させることが叶わなかったが、今後はCdフリーの蛍光ナノ材料開発を研究室を挙げて達成することを期待している。
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