2009 Fiscal Year Annual Research Report
エゾサンショウウオにおける温度依存的な性決定・性分化機構の解析
Project/Area Number |
09J01941
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宇野 好宣 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 温度依存性 / 性分化 / サンショウウオ / 性染色体 / 性判別マーカー / RAPD法 |
Research Abstract |
21年度の春に北海道厚田村にて採集した、エゾサンショウウオの卵塊を20℃で孵化させた。その後、孵化した幼生を20℃で飼育する対照群と、孵化後15日から30日にかけて28℃の温度条件下で飼育する高温処理群に分け、性腺の分化段階によって10のステージ(孵化後0、10、15、20、25、30、35、40、45、60日)に分けた幼生個体のサンプリングを行い、それぞれの個体の肝臓からDNAと生殖腺からRNAを抽出した。 また、性転換個体の遺伝的な性を判別するためのW染色体特異的分子マーカーを作製するため、雌雄のゲノムDNAを制限酵素で消化し、電気泳動で検出されたメス特異的バンドのクローニングを行った。FISH法を用いて、得られたDNAクローンの染色体マッピングを行った結果、制限酵素SacIで消化して得られたDNAフラグメントにおいて、メスでW染色体と1対の常染色体にシグナルが検出された。しかし、この反復配列のシーケンス解析からはメス特異的な塩基配列は検出できなかった。現在、ゲノムDNAをテンプレートにしてRAPD解析を行い、メス特異的に検出されたDNAバンドからW特異的なフラグメントのクローニングを試みている。RAPD解析でもW特異的なフラグメントが得られなかった場合、AFLP解析を用いることを検討している。また、発現解析を行う性分化関連遺伝子のサンショウウオホモログの単離を平行して行っている。
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