2011 Fiscal Year Annual Research Report
超強磁場を伴う一般相対論的高密度星に於ける巨大爆発現象の理論的解明と観測への提言
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09J02105
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
田辺 健太朗 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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| Keywords | ブラックホール磁気圏 / 高次元時空 |
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| Research Abstract |
活動銀河核やガンマ線バーストなどの巨大爆発現象の機構を解明するため回転しているブラックホール周りの磁場構造について研究を行なった。磁場によりブラックホールの回転エネルギーを引き抜くことで爆発現象を説明するBlandford-Znajek機構(BZ機構)は、現在まで低速回転しているブラックホールにのみ適用が可能であった。一方我々の宇宙におけるブラックホールは高速回転していることが予想されており、そのような高速回転ブラックホールにおいてBZ機構が十分巨大爆発現象を引き起こすほどの機構かは不明である。そこで我々は高速回転しているブラックホールにBZ機構を適用するべく、摂動の高次効果を取り入れブラックホール回りの磁場構造決定問題に取り組んだ。結果、低速回転におけるBZ機構はその磁場構造を保ったまま高速回転ブラックホールには適用できないことがわかり、高速回転ブラックホールにおけるBZ機構についてさらなる詳しい解析が必要であることを示唆する。これまで行われていた摂動法による解析は高速回転では破綻するため、今後は数値的な解析が必要となるであろう。
また、高次元時空における漸近構造の解析についても研究を行なった。超弦理論により我々の宇宙は高次元であることが示唆されている。そのような可能性を検証するには高次元時空における重力理論への深い理解が必要であり、高次元時空における漸近構造の解析はその第一歩である。我々は漸近的に平坦な高次元時空を一般に解析することにより、重力波によるエネルギー放射の公式や角運動量放射の公式を導出することに成功した。これらの結果は今後大型加速器などで高次元ブラックホールが生成されることが指摘されているブラーンワールドシナリオの検証にも役立つ公式である。
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