2009 Fiscal Year Annual Research Report
弦の場の理論の基本原理解明に向けた弦の非摂動現象の研究
Project/Area Number |
09J02291
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高力 麻衣子 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超弦理論 / 開弦 / ピクチャー数 / 弦の場の理論 / ゲージ固定 / BV形式 |
Research Abstract |
開いた超弦の場の理論の一つ、モディファイドキュービック型超弦の場の理論についてゲージ固定と摂動的振幅に関する研究を行った。 1.超弦はピクチャー数と呼ばれる量子数を持ち、これを変化させる演算子はピクチャーチェンジングオペレーターと呼ばれる。ピクチャーチェンジングオペレーターはカーネルを持つため、理論にはゲージ対称性が存在する。このゲージ自由度を固定しプロパゲータを導くことによって初めて、摂動的振幅の計算が可能になる。超弦には、フェルミオンを表すラモンセクターとボソンを表すヌヴォ・シュワルツセクターがあり、このうちラモンセクターに関しては、上記のゲージ対称性を取り除く射影演算子が定義されている。一方ヌヴォ・シュワルツセクターでは無矛盾に定義されていないのが現状である。我々は、ラモンセクターのゲージ固定を、バタリン・ヴィルコヴィスキー形式で書き直して応用し、ヌヴォ・シュワルツセクターのゲージ自由度を取り除く射影演算子を構成することに成功した。これを元にプロパゲータを導くことは、射影された場とピクチャーチェンジングオペレーターの構造が非常に複雑で解析的な計算が難しいため、今後の課題である。 2.新しいピクチャーチェンジングオペレーター 上述のように既存のピクチャーチェンジングオペレーターでは、摂動論の構成が困難である。そこで新しい演算子を定義することを目指し、いくつかの候補を見つけ出した。しかし、プロパゲータの導出と両立するものの構成には至っておらず、現在進展中である。
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Research Products
(1 results)