2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J02494
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山中 隆志 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ILC / ビームサイズモニタ / レーザー |
Research Abstract |
今年度の初めには当初の計画通り、電子ビームとレーザー光の衝突により散乱される逆コンプトン散乱光子の検出に成功した。これにより1本のレーザー光だけを用いて電子ビームサイズを測定するレーザーワイヤと呼ばれるモードでの測定が可能になり、20μm程度の水平方向ビームサイズを行った。 しかし、干渉モードで測定での信号を取ることは最初に用意していたデバイスではできず、装置の改善が必要になった。また、信号量に対してバックグラウンド光子の量が多く、より小さいビームサイズ測定を行うのが困難であることがわかった。これらに対処するため、ビーム運転が止まる夏期シャットダウン時に、 1.2本のレーザーをビームの衝突点で重ねるためのデバイスの新調 2.より高いパワーを持ったパルスレーザーへの交換 3.バックグラウンド光子を減らすためのコリメータの追加 を行った。この期間、加速器側のアライメントも並行して行われ、バックグラウンドの低減につながった(アライメントができていないビームパイプの内壁に電子ビームのすそが衝突することによりバックグラウンド光子が発生すると考えられている)。 これによりビーム運転が再開して最初のビームタイムでコンプイン散乱光子において干渉パターンを観測することに成功した。以降、干渉モードでの測定を続け、現在のところ垂直方向に約2.5μmのビームサイズが測定されている。これよりも更にビームサイズを絞るには加速器のチューニンググループと連携しての測定が必要になり、そのための準備(測定プログラムの汎用化など)を行っている。
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