2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J02587
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高尾 聖心 北海道大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 放射線治療 / 治療効果予測 / 放射線感受性 / パラメータ推定 / 適応放射線治療 / システムバイオロジー |
Research Abstract |
前年度に確立した放射線治療における腫瘍縮小シミュレーション手法に基づく腫瘍縮小の予測手法を提案し,その精度を検証した.治療効果の予測においては放射線感受性(あるいは抵抗性)を表すパラメータを症例毎に適切に決定することが重要となる.本研究では本シミュレーション手法において腫瘍の放射線抵抗性を表すパラメータである放射線抵抗係数νを治療期間初期における腫瘍体積の変化を基に最小二乗法によって決定し,治療終了時の腫瘍体積を予測した.また,パラメータ決定に要する経過観察期間と予測精度の関係について調査した.対象は頭頸部リンパ節腫瘍6例とした.結果,治療開始後からの二~三週間の経過観察に基づくパラメータ推定によって,治療終了時の腫瘍体積を誤差10%以内で予測可能であることが示された.また,四週間以上の経過観察期間を設けた場合でも予測誤差はほとんど変わらず,二~三週間の経過観察は治療効果の予測に必要十分であることが明らかとなった.本結果は現実的な手法と精度での放射線治療効果予測が可能であることを示しており,治療期間中の腫瘍の縮小に応じて照射法を最適化する適応放射線治療への応用など,その臨床的意義は大きい. また,シミュレーションの更なる発展を目的とし,システムバイオロジーの概念に基づく放射線治療のモデル化を行った.細胞の分裂・増殖の過程である細胞周期の進行を促進あるいは阻害する因子のはたらきをシステムバイオロジーの観点からモデル化し,細胞の分裂,癌化および放射線治療効果のシミュレーションを行った.シミュレーション結果は細胞周期の各制御因子が相互作用によって適切に発現・不活性化することで細胞周期が進行する様子を示し,癌細胞の分裂・増殖や治療の機序の理解に不可欠な細胞周期シミュレーションモデルが構築された.
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[Journal Article] ACCURATE ANALYSIS OF THE CHANGE IN VOLUME, LOCATION, AND SHAPE OF METASTATIC CERVICAL LYMPH NODES DURING RADIOTHERAPY2011
Author(s)
Takao S, Tadano S, Taguchi H, Yasuda K, Onimaru R, Ishikawa M, Bengua G, Suzuki R, Shirato H
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Journal Title
International Journal of Radiation Oncology, Biology, Physics
Volume: (In press)
Peer Reviewed
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