2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞老化を規定する分子基盤の解明とアンチエイジング創薬への応用
Project/Area Number |
09J02698
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鵜殿 美弥子 九州大学, 農学研究院, 特別研究員(D1)
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Keywords | 細胞老化 / イメージングサイトメーター |
Research Abstract |
これまで当研究室では、プロテオミクス的アプローチにより、ヒト正常線維芽細胞株(TIG-1)の細胞老化に伴い発現変化を示す16種のタンパク質を同定している。データベース解析により当該遺伝子を同定後、定量RT-PCRを行い、これら16種のうち7種の遺伝子を、TIG-1細胞の分裂老化に伴い発現増強する細胞老化関連因子として同定した。 そこでまず各種細胞老化関連因子の細胞老化誘導能を定量的に評価するために、イメージングサイトメーター(IN Cell Analyzer 1000)及び新たなβ-ガラクトシダーゼの蛍光基質を用いた、細胞老化誘導検証のための蛍光老化関連β-ガラクトシダーゼアッセイを新たに構築した。 次に、これら7種類の細胞老化関連因子の細胞老化プログラムにおける役割を明らかにすることを目的として研究を行った。まず、レトロウイルスを用いてこれら細胞老化関連因子7種を恒常的にノックダウンしたTIG-1細胞を用い、細胞老化誘導に対する寄与を解析した。その結果、細胞老化因子として知られるCDKインヒビターp21及びp16を含む2種の細胞老化関連因子をノックダウンしたTIG-1細胞において、細胞老化誘導が阻害される様子が観察された。次にレトロウイルスを用い、これら細胞老化関連因子の強制発現を行った結果、p21及びp16とともに、6種の遺伝子に細胞老化誘導能及び細胞増殖抑制効果が観察された。以上の結果から、当該細胞老化関連因子のなかに、細胞老化プログラムの誘導及び維持に必須の役割を演じる因子が含まれていることが明らかとなった。
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