2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J02715
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
八木 拓也 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経変性疾患 / 小胞体ストレス / セイピン |
Research Abstract |
【変異型Setpin遺伝子トランスジェニックマウス(N88S Tg mice)の解析】ウエスタン・プロットにて、N88S Tg miceの脳においてのみ有意なバンドの検出が認めら、本研究で樹立したN88S Tg miceは、中枢神経系特異的に変異型Seipinの発現を認めていることが示された.次に表現型・行動解析を行なった.初発症状として全身性の振戦様不随意運動が認めら、経時経過とともに体重測定を行なったところ、N88S Tg mice群は、nontg mice群と比較して生後28週以降で有意に低くなることが観察された.全てのN88S Tg miceにおいて、28週までにAbnormal limb reflexを認めており、上位運動ニューロンの障害が示唆された.運動機能の評価にて、経過中に進行性の運動障害が定量的に確認された.歩行障害に関しても、footprint testにおいて歩幅の小さい不安定歩行が認められた.Kaplan meier法生存曲線により、50週間経過した時点で、N88S Tg mice群は半数程度が死亡を認めており、nontg mice群と比較して有意に死亡率が高いことが示された.以上より、表現型として振戦様不随意運動、体重減少、Abnormal limbreflex、運動機能低下、歩行障害、死亡率高値が有意差をもって示された.N88S Tg miceにおける免疫組織学的検討を行ったところ、大脳皮質・脊髄それぞれのNeuN陽性の神経細胞において、細胞質内に封入体の形成が認められ、細胞質内の封入体の形成は、これまでのin vitroでの解析と合致している所見であった.今後、生化学的(UPR誘導マーカー(BiP,CHOP,STC2))解析を行い、小胞体ストレスが誘導されているか、表現型が生じているメカニズムについて検討を行う.
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