2009 Fiscal Year Annual Research Report
高等動物の脳神経系におけるキシロース含有N型糖鎖の高次機能発現メカニズムの解明
Project/Area Number |
09J02854
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
矢木 宏和 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 助教
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Keywords | キシロース含有糖鎖 / キシロース糖転移酵素 / 神経系 / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
本研究では、神経系におけるキシロース含有糖鎖が関与する分子間ネットワークを明らかにすることを通じてこの糖鎖の担う機能の解明を目指している。 本年度はまずin situハイブリダイゼッションにより、aer61およびago61のmRNAはともにマウスの大脳、海馬、小脳に発現量が多く、また特にニューロンに発現していることが明らかとなった。今後、これらの遺伝子発現が多い部位に着目して糖鎖分析を行うことにより、キシロース含有糖鎖を探索する予定である。この2つのキシロース転移酵素様タンパク質のin vitro反応におけるキシロース転移活性を評価した。基質分子として、N型糖鎖の生合成過程に存在する一連の糖鎖を2-アミノピリジン誘導体を調製した。しかしながら現状では、大腸菌および動物細胞を用いて発現させたリコンビナントキシロース転移酵素様タンパク質の活性は検出できていない。酵素活性を持つには他のコファクター存在が考えられるため、今後これらキシロース転移酵素様タンパク質を導入した細胞に発現している糖鎖の構造を解析することにより、この酵素の活性評価を行う予定である。 さらにはaer61およびago61の遺伝子欠損マウスを樹立した。aer61の遺伝子欠損ホモマウスは正常に生まれてくるのに対し、ago61の遺伝子欠損ホモマウスは胎生致死であることを明らかにした。今後、ago61遺伝子欠損マウス胎生致死の原因を明らかにすることで、キシロース含有糖鎖の機能を明らかにしていく予定である。
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[Journal Article]2009
Author(s)
加藤晃一, 坂田絵理, 矢木宏和
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Journal Title
医学のための細胞生物学第22章 分子細胞生物学の研究手法の多様性-3(永田和宏, 塩田浩平編)(南山堂)
Pages: 261-265