2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規分離共生培養装置を用いたGMOからnon-GMOへの新機能付与法の開発
Project/Area Number |
09J02920
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 夏子 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | non-GMO / 細胞改変 / タンパク送達 / 細胞表層 / 分泌機構 / 機能付与 / 解糖系酵素 / 細胞内侵入ドメイン |
Research Abstract |
研究計画に基づいてnon-GM生物改変のために必要な細胞侵入ドメインをもつタンパク質分子の生産方法を確立した。また、前年度自然界で起きている細胞表層への機能付与に着目したが、今年度はその機構解明に向けて解析を行った。具体的には、(1)細胞内への侵入ドメインを複数の候補から選び出す方法を考案した。その結果として、一種類の細胞内侵入ドメインが酵母および培養細胞で選定できた。(2)細胞内侵入ドメインをもつ機能性タンパク質を、酵母で内部発現し、精製する方法を確立した。精製したタンパク質は細胞内侵入ドメインを完全に保持し、また機能性ドメインとして付与したEGFPの蛍光も保持していることが分かった。(3)細胞表層に存在する機能性タンパク質群を検出する方法を確立し、細胞内タンパク質の一群で表層における局在を確認した。このタンパク質群は解糖系に属し、病原菌をはじめとする多種多様な生物で細胞外に存在し、病原因子として機能することが知られているが、表層への局在化機構はいまだ明らかになっていない。今回確認したタンパク質群の細胞表層への局在化機構を明らかにするために、まず(4)タンパク質群が細胞外に分泌されているのかどうかを判定する方法を確立した。この方法によって、未知の細胞外輸送経路を明らかにすることができる可能性を示されたので、まとめて論文を投稿中である。(5)(4)で構築した系を用いて、(3)のタンパク質群が細胞外へ分泌されていることが確認できた。その経路について、さらに解析をすすめている。以上、(1)~(5)の結果により、細胞内への分子送達と改変の準備ができてきたと同時に、人為的な機能付与に対して自然界での細胞表層における細胞の機能改変を解析する足がかりができ、重要な自然現象の解明と再現に着手することができた。
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Research Products
(3 results)