2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体内におけるT細胞の恒常性破綻と免疫疾患の発症機序の解明
Project/Area Number |
09J03133
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
但馬 正樹 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | IL-17 / IFN-γ / CD8^+T細胞 / 大腸炎 |
Research Abstract |
リンパ球が存在しないRAG2^<-/->マウスにnaive CD8^+T細胞を移入することによって引き起こされる大腸炎モデルにおいて、その病態の発症にはIL-17とIFN-γが重要であることが示唆されている。病態局所において、移入したCD8^+T細胞はIL-17、IFN-γを産生するeffector細胞群へと分化しているが、これらの中にはIL-17とIFN-γを同時に産生するIL-17/IFN-γ double positive(DP)細胞群が認められる。これまでIL-17、IFN-γは異なる細胞群が産生すると考えられていたことから、このIL-17/IFN-γDP細胞群がどのような形質を有するのか、さらにその生理的意義の解明を目的とした。In vitroにおいて、IL-17を高産生するTc17を誘導し、この細胞にさまざまなサイトカインを加えたところ、IL-12のシグナルによって高率にDP細胞群が誘導されることが会かった。逆にIFN-γを高産生するTc1を誘導した後、これをTc17誘導条件で培養を続けてもIL-17/IFN-γDP細胞は誘導されないことから、この細胞はTc17よりのみ誘導されることが明らかとなった。さらにこのDP細胞の細胞傷害活性を検討したところ、IL-17/IFN-γDP細胞はTc1細胞と同様にキラー活性を有していることを明らかとした。また、IL-17/IFN-γDP細胞がin vivoにおいても抗原特異的な腫瘍の拒絶が認められた。これらのことから、IL-17/IFN-γDP細胞はTc17とTc1の両方の形質を維持した細胞群であることが明らかとなった。
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