2009 Fiscal Year Annual Research Report
不均一高密度媒質中の放電プラズマ現象に関する基礎研究
Project/Area Number |
09J03235
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
占部 継一郎 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 大気圧非平衡プラズマ / 誘電体バリア放電 / 大気圧プラズマジェット / レーザ吸収分光法 / レーザ誘起蛍光法 / CO_2レーザヘテロダイン干渉計 / ミリ波透過診断 |
Research Abstract |
本研究は,簡便な固体材料プロセスや液体・バイオ応用の実現へ向けた研究が近年盛んに行われている高気圧熱非平衡プラズマ源を対象とし,特に媒質の不均一性や界面の存在に起因した高気圧下に特有なプラズマ生成現象に関して系統的理解を得ることを目的としている.本年度では,大気圧下でも室温程度の低ガス温度で空間的に均一なプラズマ生成が可能なヘリウムガス中での誘電体バリア放電に対し,レーザ分光診断を用いた電子や励起粒子生成過程に関する実験的研究を行った. まず,放電空間中にヘリウムと大気雰囲気のガス組成界面を有する同軸誘電体バリア放電型大気圧プラズマジェットに対して,レーザ吸収分光法やレーザ誘起蛍光法等を用いた時空間分解励起粒子密度計測を行った.測定結果より,このプラズマジェットの放電メカニズムが正負コロナ放電と過渡グロー放電の組み合わせであることを明確に示し,ガス組成の界面付近における励起粒子の特徴的分布の確認とその分布形成メカニズムについても考察を行った. また,より大面積なプラズマ生成が可能となる並行平板型大気圧グロー放電中における電子密度の時空間的挙動に関する研究にも取り組んだ.従来の測定手法ではガス組成や密度が不均一な媒質中において電子密度の時間的・空間的分布を得ることは非常に困難であったが,今回はCO_2レーザヘテロダイン干渉計とミリ波透過診断を同一のプラズマ源に適用することで時空間挙動の解析を可能とした.この新規手法による測定結果より,電子密度の分布が瞬間的に陰極して働いている電極近傍に局在しており,この局在は負グロー部の形成というグロー放電に特徴的な現象によるものであることを見出した.
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