2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノインプリント法を用いたLSPRセンサの開発と多成分生体分子計測への展開
Project/Area Number |
09J03300
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中元 浩平 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プラズモン / 光ナノインプリント / マイクロフルイディクス / 抗原抗体反応 / 表面プラズモン共鳴 / ナノホールアレイ |
Research Abstract |
プリズムを利用した表面プラズモン共鳴(SPR)法は低濃度のバイオマーカーをその場で測定可能という利点がある一方で、今以上の安価、小型な装置を作製することは、光学系の問題から困難であった。今回我々はより簡便な光学系で従来のSPR法と同様の測定なLSPR法に注目し、簡便に大面積のサンセ表面を構築可能なナノインプリント法を用いて、多検体生体分子計測を目指したLSPRセンサの作製を行った。 本年度は、昨年度作製したナノ構造のパターンから得られた反射スペクトルを、実験、計算両面から解析した。実験では白色光を真上から導入し、その反射光をバンドルファイバーにて補足したのち分光し、スペクトルを得た。一方計算ではFDTD法を用いて、実験条件と同じ環境を再現し、スペクトルに関する考察を行った。その結果、実験、計算結果ともに対応する反射スペクトルの結果を示した。また、ホールの深さが深くなるにつれて、ディップがブロードになる点に関しても同様の結果となった。これは、深さが深くなるにつれて、上下金膜が分離され、異なるモードが発生するからと考えられる。 続いて、最適化された金ナノホール基板を用いてイムノアセイを行った。基板には、流路が形成されたPDMSのカバーを装着した。金基板上には、自己組織化膜を用いて抗TNF-α抗体を固定化した。固定化にはカルボジイミドのカップリング反応を利用した。抗体固定化後、種々の濃度のTNF-αをセンシングデバイス中に導入した。その結果、抗原抗体反応がおこるにつれて、反射スペクトル中のディップが長波長側にシフトした。測定から、約10ng/mLの濃度のTNF-αが測定できることが示唆された。
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Research Products
(9 results)