2009 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエージェントシステムにおける自律的なコンセンサス形成問題の解析
Project/Area Number |
09J03450
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 直樹 Osaka University, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 協調制御 / マルチティアコンピューティングシステム / QoS公平化 / ポテンシャルゲーム理論 / センサ被覆 |
Research Abstract |
近年、マルチエージェジトシステムにおいて、個々のエージェントが自律性を保ちつつ、システム全体としての調和の取れた振る舞いを実現する協調制御(cooperative control)が注目されている。本研究では、各エージェントがエージェント間の局所的な情報伝達の他に、大域的な影響を受けるマルチエージェントシステムについて考察した。また、協調制御の応用例として、本研究ではリアルタイムシステムにおける動的リソース配分問題とモバイルセンサ被覆問題を取り上げた。リアルタイムシステムでは、システムの過負荷状態を回避し、かつクライアントのサービスの品質をできる限り公平化することが重要である。本研究では、マルチティアコンピューティングシステムを対象とし、クライアントが使用できるリソース量に関する制約の下で、QoSレベル(Quality of Service)を等しくするQoS公平化制御法を提案した。一方、モニタリング領域内の重要度に応じて複数のモバイルセンサを配置する問題はセンサ被覆問題と呼ばれ、協調制御の分野で盛んに研究されている。センサ被覆問題では、他のセンサが重要度の高い地点をどの程度うまく被覆できているかによって各センサの挙動が変わり、各センサは他のセンサからの大域的な影響を受けている。本研究では、ポテンシャルゲーム理論をセンサ被覆問題へ応用し、レプリケータダイナミクスを用いることで、センサ被覆問題の評価関数を極大化するようにモバイルセンサを配置する分散被覆制御法を提案した。
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