2009 Fiscal Year Annual Research Report
PFCsによる空間的・歴史的汚染実態及び対策に向けた汚染寄与の解明
Project/Area Number |
09J03467
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
頭士 泰之 Yokohama National University, 環境情報研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 残留性有機フッ素化合物(PFCs) / 汚染源解析 / 地理情報システム(GIS) / 微量分析 / 一斉分析法 / 東京湾流域 / 底質コア |
Research Abstract |
本研究課題では、残留性有機フッ素化合物(PFCs)汚染について空間的側面・時間的側面から汚染実態・変遷を明らかにし、汚染源解析により汚染寄与を解明することを目的としている。 初年度である今年度は、東京湾底質コアを利用した時間的側面からの汚染変遷調査を行った。分析作業に先立って、測定対象物質の選定・標準物質の収集、環境試料からの対象成分の抽出法検討、液体クロマトグラフータンデム質量分析計での分析メソッド構築に取り組み、24種のPFC同族体の一斉分析手法の開発に成功した。この分析手法の適用により過去50年における様々なPFC同族体の汚染変遷実態が明らかとなり、一部の同族体については、PFC利用・製造規制が始まった後も汚染減少が見られない実態が浮き彫りとなった。この成果については国際学会にて発表を行い、投稿論文については国際誌Environmental Pollutionにて出版された。 上記に加えて、空間的な汚染実態調査についても取り組んだ。この調査に先立ち、地理情報解析を可能とするシステムGISの対象地域における情報基盤整備を行なった。東京湾流域の河川流路、土地利用形態、下水整備状況などの情報を集積し、汚染源解析に利用するデータ整備を完遂した。汚染源解析に繋げる汚染調査について、分析方法をさらに改良し38種の同族体の一斉分析法を開発した。収集した河川水など76試料と下水放流水6試料を分析し、建物用地の増加に伴って汚染度が上昇する実態を定性的に示した。これはPFC汚染が通常の汚染と異なり、人間活動に伴って面的広がりを持って排出される実態を反映している。この結果は国内学会にて発表を行った。
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