2010 Fiscal Year Annual Research Report
地殻・マントル内短波長不均質構造と高周波地震動の伝播特性に関する研究
Project/Area Number |
09J03509
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武村 俊介 東京大学, 大学院・学際情報学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 地震波動伝播 / 地殻・マントル / 短波長不均質構造 / 地震波散乱・回折 / 数値シミュレーション / 信号解析 |
Research Abstract |
本研究では、地震の被害に大きな影響を与える1Hz以上の高周波数地震動の伝播特性の解明とそれらを正しく再現できる広帯域地下構造モデルの構築を目指し、日本国内で発生した地震を用いた多面的な波形解析(3成分振幅比、最大振幅、Coda励起量など)と解析結果を定量的に再現できるような地震動シミュレーションを行う。 今年度は、高周波数地震動に影響をおよぼすような小さなスケールの不均質構造(以下、短波長不均質構造)の日本全国における地域性や深さごとの変化などを推定するために、地震動の初動部分(P波)に着目し、3成分の振幅比の解析を行った。高感度地震観測網Hi-netで記録された高密度・大量(310地震、46298波形)の地震波形の解析ならびに短波長不均質構造を含んだ地震動シミュレーションの結果、東北日本の西部で不均質性が強いことが明らかになった。また、地殻・マントルでは下部地殻においてとくに不均質性が強く、地震波速度の揺らぎが大きいことが明らかとなった。これらの波動解析とシミュレーションの結果をまとめ、英語論文を執筆し、投稿を予定している。 また、上記の波形解析の結果から、複雑な地形の形状が地震波に及ぼす影響が重要であることが明らかとなったので、複雑な地表面形状を含んだ地震動シミュレーションを行い、それらの結果を定量的に評価することで、地形による散乱と伝播経路中の速度揺らぎによる散乱の効果の分離を試みた。 得られた成果については、国内外の学会(日本地球惑星連合大会、日本地震学会、アメリカ地球物理学会など)において発表し、他の研究者らと議論を行った。理学系の学会だけでなく、地震の数値シミュレーションに関するワークショップ(ACES 7^<th> workshop)にも参加し、多岐にわたる議論を行った。
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