2010 Fiscal Year Annual Research Report
Rho標的蛋白質mDiaによる細胞分裂時骨格分子制御及び個体におけるその生理的役割
Project/Area Number |
09J03839
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邉 定則 京都大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞質分裂 / Rho GTPase / mDia |
Research Abstract |
本研究では、Rho GTPaseの標的蛋白質であるmDia2の(1)分裂細胞での局在・機能制御機構と(2)個体における生理的役割について解析した。 (1)昨年度までの解析により、mDia2の分裂期の局在には、N末端のRho結合ドメインに加え、DIDドメインが必要なこと、またそのドメインを用いた結合パートナーの探索により、mDia2の新規結合因子としてanillinを明らかにしていた。細胞分裂でのanillinとmDia2の結合の役割を明らかにするため、anillinをRNAiにより枯渇し、RNAi耐性のanillinの発現によるレスキュー実験によって検討した。まず、anillin枯渇によりmDia2の分裂溝への局在が阻害された。野生型anillinを発現させるとmDia2の分裂溝への局在は回復したが、mDia2結合部位を欠くanillin変異体発現では回復しなかった。なお、Rhoはいずれの場合も分裂溝へ局在した。また、anillin枯渇による細胞質分裂失敗は、mDia2の結合部位を欠くanillinでは、野生型に比べ表現型の回復が著しく障害された。以上の結果から、mDia2の分裂期の局在と機能には、Rhoによる活性化に加えanillinとmDia2の結合が重要であることが示唆された。(Watanabe S. et. al., Mol Biol Cell. 2010) (2)E2A Creマウスとの交配により、mDia2欠損ヘテロマウスおよびmDia2 conditional欠損のためのmDia2 loxP targetedマウスの作出を行った。今後は、それらを交配させ、mDia2欠損ホモマウスが得られ次第、個体内の細胞分裂・発生でのmDia2の役割の解析を行う予定である。
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Research Products
(5 results)