2009 Fiscal Year Annual Research Report
意識,注意,および情動を包含する動的心的表象形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
09J03959
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 祐樹 Kyushu University, 大学院・人間環境学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 視覚的意識 / 視覚的注意 / 情動 / 社会的認知 |
Research Abstract |
研究代表者は心内に形成される表象の時空間的な諸特性を明らかにすることを目的としており,とりわけ視覚的意識,注意,並びに情動に関する処理がどのように相互作用しているのかについて検討している.特に平成21年度は,観察対象が主観的に見えない場合に,それが刺激の処理や我々の行動にどのような影響を及ぼすかという問題を中心に研究を行った.例えば,瞬間呈示のために見えない刺激に対してそれが何であるかという賭けを何度も繰り返し行った際に,その刺激が笑顔の顔画像であると怒り顔の顔画像のときよりも正答率の上昇が高まることを明らかにした.また,貨幣画像を対呈示することによってあらかじめ経済的価値を付加された顔刺激を用い,格子縞刺激とともに呈示した場合に,両眼視野闘争事態における格子縞刺激の優位性が高められることを発見した. 研究成果を専門誌ならびに学会にて発表した.具体的には,3本の査読付き論文と7本の査読なし論文を刊行し,国内学会・研究会にて7件,さらに国際学会にて7件の発表を行った.これに加え,現在4本の論文が投稿中であり,専門誌による査読審査を受けそれらを修正中である.
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